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日本遺産とは

*令和3年1月23日追記訂正しました。

日本遺産とは?!

日本遺産(にほんいさん、Japan Heritage)とは、文化庁が平成27年(2015年)に作った地域活性化のための制度です。ちなみに、「にっぽんいさん」ではなく「にほんいさん」と読みます。
これまで文化財は「保存すること」こそが大切だと考えられていましたが、保存するだけではなく「文化財を保存し活用する」べきであると考えられるようになり、そのために「日本遺産」という制度ができました。

なお、文化財の保存活用については、デービッドアトキンソン氏が「新・観光立国論」で詳しく説いています。デービッド・アトキンソン新・観光立国論 イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増 [ デービッド・アトキンソン ]

日本遺産のストーリーって?

日本遺産について、少し具体的な説明をすると、日本国内の文化財や伝統文化などに関する物語(ストーリー)を文化庁が「日本遺産」として認定します。つまり、日本遺産とは「地域の魅力を伝える物語」であるといえば少しわかりやすいかもしれません。文化庁はオリンピックまでに約100のストーリーを日本遺産に認定することを目標にされていましたが、2020年にはオリンピックは開催されtなかったものの、合計104のストーリーが日本遺産として選ばれました。

→文化庁のページはこちらhttps://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/index.html

日本遺産の目的

 日本遺産の目的は、「地域を活性化する」ことであると書きましたが、具体的には、日本遺産に認定されたことをきっかけに、その地域に住む人たちに誇りが生まれたり、ブランド力が向上して、たくさんの観光客に来ていただくなどの効果を期待しています。

日本遺産認定の例

日本遺産は、文化庁が「ストーリーを認定する」ということなので、少し理解しづらいかもしれません。実際に日本遺産に認定されたストーリーにはどんなものがあるのでしょうか!?

 例えば、岡山県を例に挙げて説明すると、「桃太郎」にまつわるストーリーが日本遺産に認定されました。

正確には、平成30年4月に『「桃太郎伝説」の生まれたまちおかやま ~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語〜』というストーリーが日本遺産に認定されました。関連する地域は、岡山県の岡山市, 倉敷市, 総社市, 赤磐市の4つ地域で、この地域には、鬼退治にちなんだ遺跡が多数のこっているとのこと。そのために、桃太郎にちなんだストーリーで紹介しています。

桃太郎と言えば、岡山県の物語であること、そして、どのような内容であるか、なんとなく想像できると思います。

しかし、一方で、もし日本遺産がストーリーを認定するものではなくて、地域を認定する制度であれば、ただ単純に岡山県の「岡山市, 倉敷市, 総社市, 赤磐市の4つ地域」を「日本遺産」に認定することになります。そのため「なぜその地域が日本遺産に認定されたのか」という理由の説明を加える必要が生じるため、せっかく日本遺産に認定されたとしても、認定理由やイメージを共感しにくい可能性があります。そのため、県や市などの「地域」を日本遺産に認定するのではなく、一般の方々にも少しでも興味をもってもらえるような「ストーリー(ここでは桃太郎にちなんだ物語)」を日本遺産に認定することによって「なぜ選ばれたのか」、また「どこが選ばれたのか」を、できるだけわかりやすく伝えることができるというわけです。

なお、日本遺産には2つのタイプがあり、1つの自治体のストーリーが認定されるものと、岡山県の例のように複数の自治体で作るストーリーが日本遺産に認定されるものがあります。1つの自治体だけで認定されるものが「地域型」、複数の地域が集まって認定されるものが「シリアル型」と呼ばれています。

日本遺産をきっかけに、広い範囲の地域が一緒になって活性化することを狙っているのです。

日本遺産と世界遺産の違い

では、これまでに聞き馴染みのある「世界遺産」とはどう違うのでしょうか。

世界遺産とは、世界の宝物として守っていく必要のある貴重な文化財や自然のことで、ユネスコの世界遺産委員会が登録するものです。なお世界遺産は、移動が不可能な不動産が対象となっています。一方で日本遺産は、地域の魅力を伝えるストーリーを文化庁が認定するものです。

世界遺産と日本遺産の違いをまとめると、世界遺産は、「遺産を保護して未来へ伝えるためのもの」であることに対して、日本遺産は認定された地域の「文化財を保存活用し地域を活性化するもの」です。

世界遺産日本遺産
認定主体ユネスコ(世界遺産委員会)日本(文化庁)
目的保護
世界の宝物として保存する
活用
保存・活用し地域(日本)を活性化させる
認定されるもの移動が不可能な不動産文化財にまつわるストーリー
世界遺産と日本遺産の違い

 世界遺産と日本遺産を比較すると、世界遺産は「保護」を目的としていて、日本遺産は「活用」を目的としていることが大きな違いと言えます。

 つまり、これまで大切に保存されてきた文化財などを、保存だけでなく活用して、国内だけでなく海外へも発信し、地域を活性化しようという取り組みです。

2020年1月現在では、83件が認定されており、予定ではオリンピックまでに100件のストーリーが認定される予定です。ちなみに、例年は4月か5月ごろに発表されているようです。令和2年、全ての日本遺産が発表され認定されたストーリーは104件になりました

 文化庁は、日本遺産として認定されたストーリーの地域に、公開や活用するための整備などに対して、文化芸術振興費補助金を交付するなど積極的に支援しています。

味わえる日本遺産

自宅で気軽に日本遺産を楽しむこともできます。ふるさと納税の返礼品にはいくつかの地域で日本遺産に関する特産品があります。

ふるさと納税も日本遺産も地域活性化を目的とした制度なので、「ふるさと納税で日本遺産に関するものを返礼品として選ぶ」という選択は、理に叶っていて面白いかもしれませんね。

【ふるさと納税】「月の都 千曲」を味わう 日本遺産セット 【純米吟醸酒・お酒・日本酒・純米酒】

【ふるさと納税】【令和2年産】白米10kg 福井県産 つきあかり 若狭の恵【1123517】

熊本県産の米麹(米糀)無添加1kg〜量売り【蔵元直販】【くまもと米麹】本に掲載 古式室蓋(ムロブタ)で造った生麹/甘酒麹/甘酒こうじ/令和元年度米

毎年2月13日は「日本遺産の日」

 文化庁は、地域活性化を目的とした「日本遺産」の認定制度を広く知ってもらうために、2月13日を日本遺産の日と定めました。といっても法制化はしないため、祝日ではありません。個人的にはせっかくなのでお休みにしてほしかったところです。

なぜ、2月13日かと言えば、「2、13(に、いち、さん)」が「にほんいさん」に似ていることからだそうです。覚えやすいですね。
 令和2年の2月13日が、初めての日本遺産の日になりますので、東京有楽町のよみうりホールにて記念シンポジウムが開催されました。ゲストには、ダジャレのネタで有名なお笑い芸人のナイツが参加され大勢のお客さんで賑わったようです。

いかがでしたか?「文化財」というと、少しお堅いイメージがあるかもしれません。しかし、日本遺産では、国をあげて、文化財を少しでも楽しく、関心をもってもらうために「ストーリー」を作って紹介されています。

コロナが落ち着いたのちには、観光地として、旅行先として、日本遺産のストーリーを辿ってみるのも楽しいと思いますよ。

日本遺産一覧

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