丹波焼

丹波焼とは!?

 丹波焼は、兵庫県丹波篠山市今田町周辺で生産される陶器です。歴史は古く、遡ること約850年、平安時代末期から鎌倉時代のはじめとも言われており、日本六古窯(にほんろっこよう)の一つに数えられています。
現在も約60軒の窯元が軒を連ねており、それぞれの窯元は、作陶から販売までを全てこなします。そのため、お隣同士でも全く作風が異なることもありますので、自分に気に入った器を探すことができるのも楽しみの一つです。

また、工房にはギャラリーや店舗を併設している窯元も多くあり、のどかで美しい山あいの風景とともに、窯元のならぶ路地歩きながらの器探しを楽しむことができます。

窯の種類

 焼成の方法はガス窯、電気窯、のぼり窯など、大きく分けて3つあります。例えば、彩りの美しい色の釉薬で鮮やかな器をつくる場合には、ガス窯や電気窯を使用されますが、反対に灰釉(はいゆう:薪の灰が陶器にかかり独特の色目ができること)など、のぼり窯でしか表現できない器の表情もあり、作り手の考え方や、作品にあわせて使い分けられます。

 なお、桃山時代までは「穴窯」が使用されていましたが、慶長10年(1610年)ごろに、朝鮮式の登り窯が伝わりました。同時期に、足で蹴って轆轤(ろくろ)をまわす「蹴りろくろ」も導入されました。この蹴りろくろは、丹波焼では日本では珍しい左回転であったことから、現在も、丹波焼の特徴として左回転で作陶をされている窯元がたくさんあります。なお、現在はほとんど蹴りろくろを使用されることはなく、電動の轆轤が使用されています。

また、昭和53年(1978年)には「丹波立杭焼」の名称で国の伝統工芸品指定を受けています。

丹波焼の郷を訪問しよう

 丹波焼の郷を初めて訪れるという方は、まず「陶の郷(すえのさと)」を訪れてみるのがおすすめです。丹波焼の歴史を展示とともに知ることができることはもちろん、ほとんどの丹波焼の窯元の作品を購入できる「窯元横丁」が人気です。窯元横丁では、ゆっくりとそれぞれの窯元の作品をみて、買うことができます。そこで、気に入った窯元があれば、実際にその窯元さんの工房を訪れてみるのも良いでしょう。古い町並みを再現した窯元横丁は、懐かしい雰囲気の路地に迷い込んだようで、時間を忘れて器探しを楽しめるでしょう。

美しい景色とともに器探しを楽しめる窯元路地歩き

その他のおすすめ

 その他、「兵庫県立陶芸美術館」や、「今田薬師温泉(こんだやくしおんせん)ぬくもりの郷」なども合わせてゆったりとした時間を過ごせます。

丹波焼と丹波篠山の食
丹波焼と丹波篠山の食材のコラボレーション

 また、最近は丹波篠山の食材を丹波焼の器で提供するカフェやレストランも増えてきています。地元の食材と、器を味わうという楽しみ方ができるのは丹波篠山ならではの特徴です。お店の方に、器や食材のこだわりを聞いてみると楽しいかもしれません。

まとめ

 丹波焼の特徴として「色」や「形」に決まったことはなく、様々な色や形がありフレキシブルであることが特徴です。そのため、料理や好みに合わせて選ぶことができる丹波焼は、日常の暮らしを豊かに彩る「器の大きさ」を持っていると言えるでしょう。
 今や、器は、100円ショップでもたくさん購入することもできますが、丹波焼の器は「職人さんが思いを込めて作ったこだわりの器」です。素敵な器との出会いは、日々の暮らしを豊かにします。ぜひ、あなたの心に響く美しい器探しの旅に訪れてみてください。

1コメント

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